難治性不妊症の患者さん
不妊治療の場合、通常はタイミング指導から開始して、なかなか妊娠に至らない場合には人工授精から体外受精へとステップアップしていきます。当院では体外受精まで実施していますが、40歳を越えた女性の場合、どうしても妊娠率は下がってしまいます。
私が初診から診ている46歳の患者さんは、今まで2回体外受精を通常の排卵を抑制する方法で実施したのですが、なかなか卵がとれないため人工授精に戻していました。
それでもなかなか妊娠に至らないため、今回は排卵を抑制することなく自然周期で採卵を実施してみました。
すると今回何故か4個卵が回収されたため、2個は自然に精子を受精させ、もう2個は顕微授精といって卵に穴を開けて精子を注入する方法で行ったところ、2個が着床前の状態である胚盤胞まで分化していることが判明しました。
女性の場合、45歳を過ぎると極端に卵の質が落ちてしまうように思われます。まだ受精卵である胚盤胞を移植する前の段階ですが、今度こそ妊娠されることを祈るばかりです。