難治性不妊で治療を受けられていた患者さまの出産報告
以前の私のブログで紹介した患者さまが、紹介先の病院で無事出産を終えて本日退院となり、そのまま当クリニックに出産の報告に来られました。
この患者さまは、妊娠経過中に妊娠性糖尿病を発症して胎児が大きくなってしまったため、帝王切開術を受けたとのことでした。
私はこの患者さまとのお付き合いが長く、以前に悪性疾患に罹ったこともあり、施設と担当医の判断によっては子宮摘出が選択されるところでした。患者さまご本人の挙児希望が強く、リスクが高くても子宮を温存してからは早く妊娠できるようにと体外受精に踏み切りました。最初の体外受精で多くの受精卵(胚盤胞)が得られ、1つずつ受精卵を移植していったところ妊娠が判明しました。それでも残念なことに流産という結果に終わってしまいました。
今回は患者さまのご希望があって人工授精での妊娠でした。多胎・OHSS等の種々のリスクがありましたが、幸い単胎で病状や妊娠性糖尿病が悪化することもなく無事出産されました。これは本当に嬉しいことですし、おめでたいことです。
数々の苦難を乗り越えてこられた、ご夫婦の喜びもひとしおだと思います。
開業して当クリニックではお産を取り扱っていないため、残念ながら分娩には立ち会えませんでしたが、これは産婦人科医冥利に尽きることです。
これからも一人一人の患者さまの病状と想いとを理解して、できるだけ患者さまのご希望に添えるような診療をしていきたいと思っています。

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