NHK朝ドラ「カーネーション」~その2
太平洋戦争による悲惨な現状(徴兵・戦死・空襲・窮乏等)を伝えるシーンでは涙が止まらなくなりました。ようやく戦後の復興にテーマが移ってきていますが、戦争の残した傷跡は余りにも深く、心身共に立ち上がることができない人が大勢いたことが想像されます。
この番組では主演の糸子のみならず、脇を固める役者さんたちの熱演にも引き込まれます。
今日は、前回の派手な衣装とは打って変わって清楚な服装で現れた奈津と玉枝とのやり取りが絶妙でした。勘助と泰蔵の死で起き上がることができないくらい生きる気力をなくしていた玉枝が、借金まみれのために料亭の女将から売春婦に堕ちてしまった奈津の更生のために息を吹き返します。
八重子に事前に相談することもなく、突然「安岡髪結い店」を「安岡美容室」にしようと提案し、奈津にそこで働いてくれるように依頼します。その際の以下のやりとりが特に印象的でした。
<以下、「カーネーションあらすじ 『揺れる心』 第86回(1月16日放送)」より引用
「なあ手伝うてえな。奈っちゃん」
「おおきにおばちゃん…そやけど、うちはもう…表の世界の女…」
奈津が言いかけると玉枝は奈津の口を押さえ強い口調で言った。
「言いない!金輪際、言いない!ええな」
<引用終了>
このときの玉枝の奈津に接する態度には鬼気迫るものがありました。
糸子も玉枝の願望に答えて、安岡美容室の改装や制服作成に協力し、奈津の借金返済の保証人にまでなります。
少々無理な設定のような気もしますが、昔から続く、大阪人特有の絆の深さ、面倒見の良さ、商売人根性とを見せてもらったような気がします。
またこの番組では、お正月や婚礼などのシーンが詳細に描かれているため、日本の伝統的行事が以前はどのように営まれていたかの再確認ができます。今ではおせち料理がスーパーやデパートで買えてしまい、多くの店が元旦から営業しています。また婚礼をホテルや挙式場で挙げることが多くなった今では、テレビでの婚礼のシーンが古い風習のように見えてしまいます。それでも日本の旧き良き伝統を忘れてはいけないような気がします。
これからもこの番組から目が離せません。

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