子宮頸がん予防ワクチンに関して~公的助成と効用・副作用について
子宮頸がん予防ワクチン接種費用の助成制度について
神戸市保健所からの指導の書類を見て、私は本年9月30日までに第1回の接種を受けないと、接種はすべて自費負担になると考えておりました。
ところが、市役所の担当者に確認したところ、本年10月以降の接種がすべて自費負担となるのは高校2年生以上に限られ、中学校1年生から高校1年生までは、今から接種開始するのであれば2回までの接種は公的助成の対象になるとのことでした。
ただし、来年の4月以降にこの助成制度がどのような内容に変更されるか分からないため、3回目は自費負担のままとなってしまうかもしれません。
ただ、最悪の場合、今なら2回目までは助成の対象となりますが、来年の4月以降は、学年によっては全額自費負担になってしまう可能性もあります。
以上のような事情を理解して頂き、了解を得た上で中学校1年生から高校1年生までの方に接種することにしました。
なお、上記の神戸市のホームページには子宮頸がん予防ワクチンのサーバリックスとガーダシルの効用と副作用についても記されております。
予防できるHPVの型
サーバリックス 16型,18型(主に子宮頸がんの原因)
ガーダシル 16型,18型(主に子宮頸がんの原因)、6型,11型(主に尖圭コンジローマの原因)
サーバリックスの副作用
頻度10%以上:そう痒感、疼痛、発赤、腫脹、胃腸症状(悪心、嘔吐、下痢、腹痛等)、筋痛、関節痛、頭痛、疲労
頻度1~10%未満:発疹、蕁麻疹、硬結、めまい、発熱、上気道感染
頻度0.1~1%未満:知覚異常
頻度不明:失神、血管迷走神経発作
※重い副反応として、アナフィラキシー様症状があらわれることがあります
ガーダシルの副作用
頻度10%以上:疼痛、紅斑、腫脹
頻度1~10%未満:発熱、そう痒感、出血、不快感、頭痛
頻度0.1~1%未満:硬結、四肢痛、筋骨格硬直、下痢・腹痛、白血球数増加
頻度不明:無力症、悪寒、疲労、倦怠感、血種、失神、浮動性めまい、関節痛、筋肉痛、嘔吐、悪心、リンパ節症、蜂巣炎
※重い副反応として、アナフィラキシー様症状、ギランバレー症候群、血小板減少性紫斑病、急性散在性脳脊髄炎があらわれることがあります
ガーダシルの方が、6型,11型(主に尖圭コンジローマの原因)の予防もできるため良いように思われている方もおられるかもしれませんが、上記の副作用報告ではガーダシルの方が重篤かつ多彩となっています。
(参考)Cancer vaccine programme suspended after 4 girls die
そのため、現在当クリニックではサーバリックスしか在庫を常時置いておりません。ガーダシルに関しては、接種希望者の了承を得てから業者への注文・接種としております。
当クリニックでは今まで60名以上の方にサーバリックスの接種を行ってきましたが、失神等の重篤な副作用は生じておりません。
子宮頸がん予防ワクチンに関する、以上のような当クリニックとしての見解をご理解頂ければ幸いです。
(追記)ガーダシルのワクチンとしての有用性に関する文献も下記に記しておきます。
Early effect of the HPV vaccination programme on cervical abnormalities in Victoria, Australia: an ecological study. The Lancet, Volume 377, Issue 9783, Pages 2085 - 2092, 18 June 2011

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