放射能被曝の現況(首都圏土壌調査結果と137Cs 濃度に関する追記あり)
(追)現在では関東の各地でホットスポットの存在が知られるようになりました。下記に「首都圏土壌調査結果」と「関東土壌汚染調査結果マップ」のPDFをリンクさせましたので、クリックしてみて下さい。
首都圏土壌調査結果
関東土壌汚染調査結果マップ
放射線管理区域に相当する地域が多数存在し、なかには希望移住区域や一時移住区域に相当する地域も見られます。
以前私のブログで記しましたが、空間の被曝状況の汚染の定点観測としては、下記の(財)日本国際問題研究所 軍縮・不拡散促進センター(軍縮センター)(CPDNP)が定期的にレポートしている、「高崎に設置されたCTBT放射性核種探知観測所における放射性核種探知状況」が最も正確な客観的事実を伝えてくれております。
高崎に設置されたCTBT放射性核種探知観測所における放射性核種探知状況 (8月12日時点)
最新のこのレポートに拠れば、現在でもCs134とCs137とを合わせて 約1000(μBq/m3) 5の濃度で検出されています。爆発前が約30(μBq/m3) 5であったことを考えれば、今でも以前の約30~40倍の濃度のセシウムが検出されている訳です。
3月15日と3月20日の大爆発の際には約700万から1300万(μBq/m3) 5のセシウムが検出されています。メルトアウトした燃料が地下水と接触して爆発する危険性が去らない現況では、最大限の被曝対策を講じるに越したことはないと思われます。
(追々)上記のCTBTより発表された最新の論文を紹介します。下記をクリックしてみて下さい。
核実験監視用放射性核種観測網による大気中の人工放射性核種の測定
驚くべきことに、
「137Cs について,高崎観測所における最高濃度と 1966 年 3 月大気核実験時における千葉市での最高濃度,1986 年 5 月チェルノブイリ事故時におけるつ く ば 市 の 最 高 濃 度 を 比 較 し た 結 果 ,今 回 の 高 崎 の137Cs 濃度は,1966 年の大気核実験時の3500倍,そしてチェルノブイリ事故時の84倍高い。」
と結論付けられています。
セシウムに関しては、以前の私のブログで記しましたが、「ドイツ放射線防護協会から日本人への助言」に拠れば、
<以下引用>
評価の根拠に不確実性があるため、乳児、子ども、青少年に対しては、1kgあたり4 ベクレル〔以下 Bq:訳者注〕以上のセシウム137 を含む飲食物を与えないよう推奨されるべきである。成人は、1kg あたり8Bq 以上のセシウム137を含む飲食物を摂取しないことが推奨される。
<引用終了>
特に乳児、子ども、青少年に対しては、これを遵守することが望まれます。
なお、放射能被曝の現状に関しては、作家の山川健一氏がtwitter上で囁いたものを木下黄太氏がブログにまとめた記事「再爆発の懸念を抱えているのは政府最高首脳」がネット上で注目を集めているので、下記に掲載致します。
<以下引用>
最近のぼくのTwitterやブログの記事を読んで、反原発のことばかり書くなという人が少なからずいることは承知しているつもりだ。暗い気持ちになりたくないと。しかし、事態はぼくらが考えているレベルを遥かに超えている気配である。
東電も大手マスコミも政府も「福島原発事故処理は工程表の通り順調に進んでいる」「来年1月までに低温安定化できる」と楽観的な「全くのウソ情報」を意図的に流している。
多くの日本人はこれを信じていて、福島原発事故がいかに深刻な状態であるかということに気がついていない。
ぼくの今の正直な気持ちを書くが、脱原発だとか反原発だとか、本当はもはやそんな暢気なことを言ってる場合ではない。
建屋が台風などで倒壊し6400本の使用済み燃料棒が地上に転がり落ち、大気と触れれば中性子と反応して核分裂が起き、決して大げさではなく日本どころか北半球全体に生物が住めなくなる可能性がある。
福島第一では、合計合計10421本もの使用済み燃料棒が 原発内各所プールに保管されていると言われている。
日本各地の原発が同じような状況で、本当のことを言えば原発を止めたって止めなくたって状況はほとんど変わらない。ぼくらは幸運なことにも、首の皮一枚でつながっているにすぎないのだ。
8月14日に、福島第一原発敷地内で「地割れ、水蒸気が噴出している」という情報が流れた。メルトアウトした燃料がどこまで行っているのか誰にもわからず、これが水脈に触れれば再爆発の懸念がある。
チェルノブイリではぎりぎりのところでそれを阻止したわけだが、犠牲となった多くの軍人が命を落とした。
菅首相は14日夜、民主党若手議員らと会食し「東京、神奈川から3千万人が移住するような事態も想定して決断しないといけない。だから『脱原発』なんだ」と述べたそうだ。おそらく「地割れ、水蒸気が噴出」という状況を前提にしての発言だろう。
そうなった場合、首都圏の3千万人の他に、東北1000万人。北関東700万人。北新潟100万人、合計4800万人もが移住しなければならなくなる──という人もいる。年内にそういう事態を迎えたとしても、決して不思議ではない。
都内の大気汚染、土壌汚染も急速に進んでおり、本当は目黒区や世田谷区だって子供が暮らしていていい場所ではない。計画的避難地域に指定されていない福島市、本宮市、郡山市はじつは壊滅的な状況で人々は即刻脱出しなければならないレベルだ。
三陸沖から静岡の辺りまで、太平洋側では海水浴は絶対にNGです。日本海側の魚からも複数の核種が検出され、汚染された瓦礫や腐葉土や牛肉が意図的に全国に流通している。がれき処理法案が可決した。
東日本の汚染は深刻で、命綱は西の食料しかないというのに、これは放射能と発癌の因果関係を意図的に隠蔽する立法だとしか思えない。
反原発? 脱原発? もう手遅れかもしれない。日本列島の汚染状況は既にチェルノブイリを超えている。東北を復興しなければならない。しかし三陸沖で獲れた魚を誰が買うというのか。漁業も農業もアウト。それで復興なんて何十年かかるのだろう。
しかし、暗い顔ばかりしていても周囲の人達に申し訳ないので「原発を止めよう!」とぼくはむしろ空元気を出しているのだ。
福島原発の原子炉4基からは今でも放射性物質が放出されている。テレビや新聞が報道しなくなった今も、放射性物質の飛散は終わっていないのだ。
東電や経産省や日本政府は「炉心を取り出すまでに10年はかかる」と言っているが、嘘をつくな。炉心を取り出す技術などないではないか。
ようするに、重要な事実は、東京電力福島第一原発は今の技術では廃炉にできないのだ。それが世界が正視しなければならない現実なのではないか。
福一は、撤去の前提となる原子炉の安定すらできずにいる。にもかかわらず、東電や政府関係者は根拠のない発言を続けているのだ。
ぼくらは今後何世代にもわたり、福島第一が出しつづける放射能に冒されつづけ。福一には、普通の意味における「廃炉」という概念は当てはめられない。ドロドロに溶けた燃料が流れ出し、それをどうやって「取り出す」のか、誰にも分からないのだ。
この絶望的な状況をどう生きていけばいいのか──。絶望的な列島の中で自らの生命と引き換えに出来る価値はあるのだろうか。
反原発の話は暗いだろうか? まさか。むしろこういう状況下で「原発を止めよう」なんて言うのは、あまりにもノーテンキなのだろうと思う。止めようが止めまいが、深刻な危機は音もなく進行しているのだから。
ストーンズの「ミス・ユー」という曲に、こんな歌詞がある。「俺は時々自分に言ってみることがある。『どうしたんだよ、ボーイ』ってさ」
今のぼくも同じ気分だ。必死の思いで元気を出して、時々自分自身に言ってみるのだ。「原発を止めようぜ!」ってね。
原発を止めよう。日本列島からすべての原発をなくそう。そこにしか、希望はない。
<引用終了>

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