ヒト胎盤エキスが放射線障害の改善に有効な文献の紹介
先日のブログ「関東の放射能被曝の現状」の結果としての、今の土壌汚染に関しては下記の記事と表が参考になると思います。
土壌調査をまとめてみた:広域での体内被曝検診を求めます

このデータで、特に私が以前から注目しているセシウム137の汚染状況からすると、既に東京の多くの地域がチェルノブイリ放射線管理区域第3区分に相当することになります。この事実から推奨される勧告として、成人で外にいられる許容限界範囲が都内では3時間となり、小児で1時間半となります。
以前のブログ「放射線障害の回復にヒト・プラセンタ(胎盤エキス)が効果」で私は、ヒト・プラセンタが放射線障害の回復に有効であるとの記事を紹介しました。ただし、これはあくまでもマウスに関する実験データでした。
ヒトの放射線障害に対して、ヒト胎盤エキス(ヒト・プラセンタ注射液)が有効であった文献が見つかったので紹介します。
プラセンタが放射能・放射線障害に有効(アメリカの研究結果)
この記事では、胎盤エキスが放射能による口頭または口腔咽頭粘膜炎の改善に有効であることを示しています。ただ残念ながらこのデータの解析結果のみでは、自覚症状を抑える面において有効であると推論され、客観的に有用であると証明するevidenceが足らないように思われます。
参考文献も下記に記しておきます。
Clinical evaluation of human placental extract (placentrex) in radiation-induced oral mucositis.
この文献ではヒト胎盤エキスの有効性を証明するために、ヒト・プラセンタ注射液を1日1A、週5回、3週間投与して効果判定を行っています。ヒト・プラセンタ注射液は、血液製剤であるという点以外に全く副作用がないところがメリットです。
関東では、鼻血・下痢・皮膚症状等の放射能被曝の影響による症状を訴えている患者さんが増えているとの情報があります。以前のブログで紹介しましたが、放射能被曝による主たる症状は下記の8つです。
Nuclear reactor meltdown? 8 signs of radiation sickness (pictures)
(米国CBS)
1)Nausea and vomiting
2)Spontaneous bleeding
3)Bloody diarrhea
4)Sloughing of skin
5)Hair loss
6)Severe fatigue
7)Mouth ulcers
8)Infections
これらの症状を訴えている患者さんに、ヒト・プラセンタ注射液の投与が効果的であることを願いたいものです。ただし、現時点でその有効性に関する明らかなevidenceがないのが実状です。

にほんブログ村

にほんブログ村

