母乳から微量の放射性物質が検出されたことに関する考察(追記あり)
母乳から微量の放射性物質 市民団体の独自検査
<以下引用>
千葉県柏市の産後8カ月の女性から36・3ベクレル、茨城県守谷市の女性から31・8ベクレルを検出した。茨城県つくば市の女性2人からもそれぞれ8・7ベクレル、6・4ベクレルを検出。
<引用終了>
以前の記事で紹介しましたが、食物連鎖で放射能が濃縮されて体内に蓄積されるのは恐ろしいことです。
ただ正確な情報が得られないため、この記事をどのように評価するかは難しいところです。「ドイツ放射線防護協会から日本人への助言」から再度引用します。
<以下引用>
評価の根拠に不確実性があるため、乳児、子ども、青少年に対しては、1kgあたり4 ベクレル〔以下 Bq:訳者注〕以上のセシウム137 を含む飲食物を与えないよう推奨されるべきである。成人は、1kg あたり8Bq 以上のセシウム137を含む飲食物を摂取しないことが推奨される。
長期的に特に注意を要するのは、セシウム134(半減期2.06 年)、セシウム137(半減期30.2 年)、ストロンチウム90(半減期28.9 年)、プルトニウム239(半減期2 万4,400 年)といった、長期間残存する放射性物質である。
通常、2年間の燃焼期間の後、長期間残存する放射性物質の燃料棒内の割合は、セシウム137:セシウム134:ストロンチウム90:プルトニウム239=100:25:75:0.5である。
これまでに公表された日本の測定結果によれば、放射性降下物中のセシウム137 とセシウム134 の割合は、現在ほぼ同程度である。ストロンチウム90 およびプルトニウム239 の含有量はまだ不明であり、十分な測定結果はそれほど早く入手できないと思われる。
福島第一原発の混合酸化物(MOX)燃料は、より多くのプルトニウムを含んでいるが、おそらくそのすべてが放出されるわけではないだろう。
ストロンチウムは、過去の原発事故においては、放射性降下物とともに比較的早く地表に達し、そのため事故のおきた施設から離れるにつれて、たいていの場合濃度が低下した。
したがって、今回の日本のケースに関する以下の計算では、
セシウム137: セシウム134: ストロンチウム90: プルトニウム239 の割合は、100:100:50:0.5
としている。
<引用終了>
今回の記事では、母乳中に長期間残存する放射性核種であるセシウムに関しては検出されなかったことが示されています。ただそのことだけで安全であると断言はできません。
日本産婦人科学会は下記のような勧告をしていますが、特に乳児の栄養に関しては用心するに越したことはないと思われます。
大気や飲食物の軽度放射性物質汚染について心配しておられる妊娠・授乳 中女性へのご案内 (続報)
平成23年4月18日
日本産科婦人科学会
(追)参考までに、セシウム137の今後1週間の全国の被曝予想図を下記に掲載します。クリックしてみて下さい。
Potential cloud spread - Caesium-137 - Japan - FLEXPART: dispersion model

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