カタカムナ文明とは物理学者の楢崎皐月氏が提唱した、先史時代の日本に存在したとされる文明で、カタカムナ文献はカタカムナ文明の実在を示しているとされる書物です。カタカムナ文字によって記された80首の詩歌で構成されています。
カタカムナ文献の解読は、楢崎皐月の後継者である宇野多美恵氏によって受け継がれ、「
相似象」学会誌で紹介されています。
「相似」という概念は、幾何学的には「
フラクタル」という概念で説明されており、この「フラクタル」の重要性は日本古来の書物でも記されています。
『先代旧事本紀』は、太古から伝わる万能の学問書とされています。「
先代旧事本紀大成経」では、七十二巻本の第一巻「神代本紀」と第二巻「先天本紀」に太古の理論は集約され、他の七十巻はこの二巻を解説する構造であると解説されています。「神代本紀」は宇宙の始まり、混沌の前の段階を教えている重要な部分とされています。
この旧事本紀を貫くのは「天隠山(あめのかぐやま)理論」です。それは森羅万象の発生の理論と言い換えられるものです。この「天隠山理論」では、天隠山を九重天と六重地という天地に分け、それをさらに陰陽に分け、万物の誕生、変容、成長を「九天六地」で説明しています。
また森羅万象は五つの基本要素である神、心、理、気、境の「五鎮」で構成され、宗源道、斎元道、霊宗道の三部で有機的に循環するということから、「五鎮三部」の理論は輪廻転生を表現しています。
これらの理論の中では、「すべてのものは人体の相似形である」、すなわち人体にフラクタルであると考えられています。
人間は一つの宇宙であり、細胞はミクロの宇宙です。宇宙は擬人化して体系化できます。地球と人体とはフラクタルな構造をしており、発生、崩壊も共通した理論で語られます。
そしてフラクタルの本質にあるのは「回転」です。その「回転」の意味するところは、物理的現象である「宇宙・地球の回転」に始まって、宗教的解釈である「輪廻転生」にまで及んでいます。
「
カタカムナへの道 潜象物理入門」に於いては、上記の理論の原点ともいうべき法則・原理が紹介されています。例えばカタカムナ文献における、以下の第37首は
第37首 アメノクヒサモチ カタカムナ
クニノクヒサモチ オキミツゴ
(男にはサトリ、女には生命力が発生するというサトリ)
と解説されていますが、以下のように応用が効きます。
「男性と女性という正反の配偶が整い、そのところへ環境側のアマーカムの潜象が重合(ムカヒ)することが生命発生の条件であり、現象界と潜象界の対向(ムカヒ)の場ができさえすれば、自ずからアマウツシという作用が起きて、新しい生命の発生(ムスビ)という現象が表れる」
あらゆるものが「正反性」をもって成り立ち、固定ではなく環境条件に応じて、発生し、構造され、連帯性、循環性を持つという意味で相似象を呈しているのは、「アマーカムの重合系潜象にその原象(モトガタ)がある」という関係がカタカムナ人によって示されています。
生命も思想も芸術も、そのすべてが「現象界と潜象界の対向(ムカヒ)」から発生します。しかもそれは「環境条件に応じて」発生します。新しいものの発生条件は決して固定的なものではなく、柔軟さを有しているのです。
以下では、「
カタカムナへの道」から重要な部分を引用して、自身のカタカムナに対する理解に役立てたいと思います。
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テーマ : 日本文化
ジャンル : 学問・文化・芸術