乳癌検診とマンモグラフィー
私の開院するクリニックにおいては、マンモグラフィーの設備は備えていません。そのため実施するのであれば、触診と超音波検査のみとなります。
最近の乳癌検診では、マンモグラフィの検査を40歳以上の女性に勧めることが常識となりつつあります。ただ20歳から40歳代の女性の場合、卵胞ホルモン(エストロゲン)高値を反映して、乳腺密度が高いものです。そのため誤診率が高いことが問題となっています。
<以下引用1>
マンモグラフィー検診「40代には勧められない」、米政府部会
【11月18日 AFP】米政府の予防医学作業部会(US Preventive Service Task Force、USPSTF)は16日、40代の女性が乳がん検診として年に1度乳房X線撮影(マンモグラフィー)検査を受けることは勧められないと勧告した。
同作業部会は2002年、およそ2年に1度の定期的なマンモグラフィー検診を勧告した。しかし2000~05年にマンモグラフィーの定期検査を受けた60万830人のデータを精査したところ、40代女性では誤診やそれによる不必要な手術、またはがんの見落としがしばしば起こるなど、メリットが小さいことが明らかになったという。
ただし、50歳以上では、2年に1度のマンモグラフィー検診は勧められるとしている。
同作業部会は以前、乳がんと診断された女性の10~20%が、マンモグラフィーでは腫瘍(しゅよう)が検出されなかったとする報告書を発表している。(c)AFP
<以下引用2>
乳癌マンモ不要論の衝撃
<以下引用3>
マンモグラフィーによる乳ガン検診は40歳代女性の乳癌死亡率減少に効果認められず~カナダの長期試験「CNBCSS-1」の最新結果
<以下引用4>
マンモグラフィ検診は延命効果がないことがデンマークの研究結果で確認された
<引用終了>
これらの臨床結果が示していることは、40歳代までの女性の場合、必ずしもマンモグラフィー単独による乳癌検診が有効ではないことです。
超音波検診でも腫瘍の大きさ、形態、不整像の描出によって腫瘍の発見は可能です。ただし、当然のことながら触診と超音波検査のみですべての腫瘍を発見することは不可能です。
このブログに拠れば、専門家が実施しても乳腺線維腺腫と浸潤性乳管癌の鑑別は困難なようです。
触診と超音波検査による検査の有効性と限界とを患者さんに説明し、患者さんの年齢と症状等を聞いて、患者さんと相談しながら乳癌検診は実施していきたいと考えております。
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