星組大劇公演`オーシャンズ11’観劇

今日は、星組大劇公演`オーシャンズ11’観劇のため、昼前に住吉川を軽く1周してから、電車で久しぶりにムラに向かいました。
大劇の中に入ってみると、朝の通勤のラッシュアワーの時のような大変な混雑振りです。立ち見の観客も多く、ここまでこの大劇が満員になるのは久しぶりのような気がします。これも作品の良さとトップのちえさんの人気の証でしょうか。
私の席は1階の16列やや右寄りでまあまあの好位置です。今日はいつになく、男性の観客が多いのも印象的でした。
満員御礼の観客の熱気もあり、観劇前から期待感が高まっていたのですが、予想に違わず非常に面白くて楽しい舞台でした。演出を手掛けたのがイケコ氏だったことも、この作品の成功の要因でしょう。
(注: 以前から私の観劇レポは独断と偏見だらけです。ここからはかなり内容を具体的に紹介しますので、ネタばれを嫌がる方は、私の下手な解説とは言え、読まないことをお勧めします。)

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ちえさんは、歌・芝居にも格段の進歩を遂げて、今の宝塚歌劇の中ではトップ オブ トップと呼べるくらい、圧倒的な人気・実力・オーラを持っているように思われます。
私は個人的に、ちえさんにはやや悪がかった不良少年も似合っているように思っていたので、今回のダニー役はまさにうってつけの役柄でした。オープニングでは、トップが囚人服を着て服役中という宝塚としては凡そ型破りな設定で始まりましたが、ちえさんの華麗なダンスと魅力的なハスキー・ボイスを充分堪能することができました。
いつもちえさんのダンスを見て感じるのですが、肉体の驚異的柔軟さ、姿勢の安定性、回転の早さ・鋭さ以外に1本1本の指先にまで及ぶ繊細な色気があります。もはや成熟を極めたようにも見えますが、まだまだ進化しつつあるようにも思われます。ちえさんを観るだけでも、この舞台は一見の価値があるように思われます。
私はこの作品の原作となった映画を観ていないため、あらすじは全く知らなかったのですが、それでも充分楽しむことができました。
この作品では、演出家のイケコ氏のアイデアで、デニスの妻テスが歌手としても出演します。また、ラスベガスショーのヒロイン、ダイアナを新たに登場させて、テスに対して強烈な嫉妬心&対抗心を抱かせるなどの工夫を凝らしています。そのため劇中劇やマジックの場面もあり、せりや盆廻しも効果的に使われていて、観る者を飽きさせません。
テスを演じたねねさんは、美貌とスタイルの良さが一層洗練され、歌にも習熟の跡が感じられました。ラスティーを演じた、すずみんはベテランらしい安定感とセンスの良さが光っていました。
今や3番手に成長した、紅さんが悪役であるテリー・ベネディクトを演じたのですが、端正な顔立ちと演技とが悪役としては今一つだったように思われます。ディーラー役を演じた夢乃さんの演技に味があったように思われました。
女性役では、ダイアナを演じたれみさんが劇中劇でもテスへの対抗心を示すシーンでも好演していました。彼女の演技面での成長振りを観ると、他の組でトップを演じるのを観たいようにも思われます。
また、今回の舞台は専科のマヤさんの退団公演となります。マヤさんの演技では、月組公演『ミー・アンド・マイガール』の軽妙なパーチェスター役が印象に残っています。演技巧者がまた一人宝塚の世界から去ることになります。非常に惜しまれる退団です。
全体の感想としては、「眠らない街」と呼ばれる、ラスベガスのカジノとショーの雰囲気が、妖艶で派手な今回の宝塚の舞台で上手く表現されているように思われました。
毎週日曜日は、当直・マラソン・ゴルフ等で予定が詰まっていますが、改めて宝塚歌劇の面白さを再認識することができました。観劇は私にとって、心のアンチエイジングに最適だと考えております(笑)。
テーマ : スミレ話@宝塚歌劇団
ジャンル : 学問・文化・芸術